2014年夏 母(Y子さん)が認知症になってしまった!

実はね・・・・

実はここでご報告しなければならない事がある。

もっと早く書こうと思ったが、私の中で整理がつかず・・・

なんだかズルズル先延ばしになってしまった。

 

先日失踪して大騒ぎになった実家のワンコだが、

実は父が保護して下さった方のお宅に譲ってしまったのだ。

もうね、ビックリしたよ。

ワンコ保護の連絡を受け、その日の夕方父とワンコを迎えに行った。

その時「相手の方がいい人なら、そのまま引き取ってもらおうと思う。」

いきなり父がそう言い出した。

初めは冗談だと思っていたが、父は大真面目だった。

父とY子さんが2人で話し合ってそう決めたと言う。

 

今回ワンコは無事だったが、

ほんの少しの不注意で大変な事になるところだったこと。

年寄りがこれから先ワンコを責任もって育てられるか分からない事。

そんな事をY子さんはとても心配していた。

これまでもヒステリーを起こす度に「もうワンコは要らない!」と言っていたY子さん。

可愛いけれど育てる自信がないプレッシャーに翻弄されていたのだ。

それが今回の事でさらに不安が増したようだ。

「ワンコの幸せを考えたら、可愛がってくれる人に預けた方がいい」と言う。

 

父は今回Y子さん以上に心を痛めていた。

庭の扉にカギをかけ忘れた為にワンコが出て行ってしまったのだが、

そんな少しの不注意が生死を分けると言う事を目の当たりにしたのだ。

ワンコが行方不明の間はほとんど寝られないようだった。

父は何も言わなかったが、鍵をかけ忘れたのはY子さんかもしれない。

認知症であるY子さんは今後同じことをしないとも限らない。

しかも父は時々家を留守にする事があるので、それも心配だったのだろう。

そして何よりY子さんの感情が不安定で波もあるので、

ワンコが可哀想だと思ったのだろう・・・・

 

ワンコが可愛くて仕方がない父は、ワンコの幸せを考えて手放そうと決めたのだ。

それなら我が家で引き取ろうかとも考えたが、父はそれには同意しなかった。

とにかく全てはワンコを保護してくださった方に会ってから。

そんな話し合いをしながらワンコの待つAさんのお宅に向かった。

 

Aさんは想像以上に優しくて、ワンコを本当に可愛がってくれていた。

今年1月に亡くなった愛犬が引き合わせてくれたんだろう♪

そう考えてワンコを大切に育てようと思っていたと仰っていた。

でも、ちゃんと飼い主を捜してくれた。

やはりワンコの幸せを一番に考えてくれる方だった。

「もう会えなくなるのが寂しくて・・・」そう言いながらスーパーに貼っていた

ワンコ捜索のチラシを大切そうに抱きしめておられた。

せめてこの写真だけでも・・とスーパーからもらって来たと言っていた。

 

ワンコをとても可愛がっておられたと言うご主人さまは、

別れるのが寂しいからと、出かけてしまっていた。

ワンコを保護してからの3日間で、すっかり情が移っていたのだ。

本当に心からワンコを大事に思ってくれていた。

 

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ワンコは父の顔を見ると、飛んで来て甘えた。

本当に嬉しそうだった。

でもAさん宅にもすっかり馴染んでおり、本当にのびのび過していた。

そんなワンコとAさんの様子を見て、父は心を決めたようだった。

年齢に不安があり、ワンコを不幸にするかもしれない事。

Aさんなら自分よりワンコを幸せにしてくれると思う事を伝えた。

 

いきなりの事でかなり驚いておられたAさんだったが、

父の気持ちが伝わったようで、ご主人と相談して連絡を下さる事になった。

ワンコを連れて帰るかどうか父は悩んだようだったが、

手放すと決めた以上、連れて帰ればますます別れがツラくなる。

そのままAさんのお宅にワンコを置いて自宅に帰った。

ワンコはAさんに抱かれて大人しく私たちを見送っていた。

 

その夜、Aさんのご主人から電話を頂いた。

「責任を持って大切に育てさせて頂きます。」

そう力強く仰って下さった。

 

2日後、ワンコのケージやご飯。

オモチャやオヤツなどをAさんのお宅に届けた。

とっても優しそうなご主人さまは、「大事にします」と、

父にそう約束して下さった。

広い敷地でいっぱい遊んでもらっていたワンコは、

イキイキと楽しそうだった。

ここでならきっと幸せになる・・・私もそう思った。

 

帰り際に目に涙を浮かべる父。

とてもツラい決断だったね・・・

私も悲しくて寂しくて涙が止まらなかった。

もう実家に行った私を嬉しそうに迎えてくれる姿は見られないのだ。

 

Y子さんの為に・・・

そう考えて迎えたワンコだったが、そんな理由で命を迎えてはいけなかった。

苦い思いだけが残ってしまった。

ワンコを飼おうと言い出したのは私だ。

なんだか父を傷つけてしまったような気がする。

 

Y子さんも「いい人に貰われて良かったね!!」と、

何度も何度も同じことを言っていたが、

その顔はとても寂しそうだった。

 

Y子さん・・・早く忘れちゃってね。

そう願わずにはいられなかった。

 

ワンコちゃん。

どうか幸せにね。

いままで本当にありがとう。

 

 


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