先日親戚に不幸があった。(伯父ね)
いつもはウォーキング以外ほとんど外出しないY子さんが、
2日間に渡って出かける事になった。
久しぶりの外出で疲れて不機嫌にならないだろうか?
思った事を遠慮なく言うようになっているY子さんだから、
思いもよらない事を喋ったりいないかな??
そして何よりY子さんが認知症になってる事を、
親戚の皆さまに知られるのも気が重かった。
心配性の私はそんな事をあれこれ心配していた。
元々Y子さんはご親戚の方々(小姑さま方)とはあまり仲がよろしくない。
今回も父はY子さんが嫌がるようなら連れて行かないと言っていたのだ。
今までは法事などもY子さんは不参加を決め込む事が多かった。
でもY子さんは「え?私も行くよ」と何事もなかったように参加した。
なので今回久しぶりに小姑さま方と顔を合わせる事になったのだ。
顔を合わせたご親戚の方々は、Y子さんの登場をとても喜んでくれた。
そしてY子さん自身も何事もなかったかのように、
にこやかな顔でお喋りをしていた。
一見Y子さんは認知症になっているようには見えない。
ただしばらくお喋りをすると、あれ?もしかして?・・・と、
そう相手に思わせるのではないかと思っている。
きっとご親戚の方々もそう感じたと思うけれど、
もちろんそんな事は皆さまおくびにも出さない。
父は多くを語らない男なので何も話さないが、
Y子さんが唯一懇意にしている叔母が、時々遊びに来ているので、
そちらからとっくに話は伝わっているのだろう。
皆さんY子さんに優しく接してくれていた。
私と父の心配をよそにY子さんは2日間を無事に終えた。
翌日も疲れを見せることなく、ご機嫌だったY子さん。
ご不幸があったのに、元気で楽しそうだったとは不謹慎だが、
久しぶりに集まった親戚同士がゆっくり話をする機会になり、
色んなわだかまりが無くなった事は事実だ。
認知症になる前のY子さんなら、お通夜だけの参加で終わっていた。
小姑さま方とも表面上だけにこやかに挨拶を交わし、
帰りは悪態をついていたに違いない。
それだけ昔は苛められたって事なんだけどね・・・
そんな記憶が薄れて来たのはいい事だよね。
去年からY子さんが住んでいる家は父の実家だ。
その父の実家に引っ越しをするとY子さんが言い出した事自体、
まさに青天の霹靂の出来事だったのだ!
その時の話はこちら→思いがけない引っ越し騒動!
Y子さんは父との結婚を大反対されて、
駆け落ち同然で父と一緒になったと言う。
なので祖母ともずっと折り合いが悪かった。
ずっと嫌われ続けてきたY子さんは、
父の実家の前を通ることすら嫌がっていたのだ。
それがその実家に引っ越すと言い出したのだから、
家族が驚くのも無理はない。
Y子さんが認知症にならなければあり得ない事だった。
忘れて欲しくない事をどんどん忘れてしまう認知症。
最悪な病気だと思っていた。
でも忘れた方がイイことだって人生には沢山ある。
そんな事を忘れて穏やかになれるなら、
それはそれで悪い事ばかりじゃないかもね。