Y子さんが引っ越しを決めて2ヵ月。
10月も半ばになって、やっとリフォームが完成した。長かったよ~!
業者さんにお願いした部分も多かったけれど、
器用に何でもこなす主人にかかる比重も大きく、週末は全てリフォームに費やされた。
父は主人に作業代として、それなりの金額をくれたので有り難かったけれど
何の文句も言わず、快く手伝ってくれた主人にはただただ感謝だった。
ようやく引っ越しできる。
でも、その前にやらなければいけない事がある。
それはY子さんの洋服の整理だ。
もともとオシャレだったY子さん。
洋服を買うのが大好きだったので、Y子さんの部屋や納戸には洋服がいっぱいだ。
それより何より、引っ越し騒動が持ち上がるまでY子さんの部屋の状況が
一体どうなっているのか?実は全く把握できていなかった。
実家に行っても、いつもリビングで過ごしていたので
Y子さんの部屋に入る事はなかった。
今回、数年ぶりに入ったY子さんの部屋は、光が全く入らずカビ臭い匂いが充満していたのだ!
ビックリ!!一体いつからこんな事になっていたんだろう!
とにかくY子さんは、「色が褪せる」と言う理由で
洋服に光が当たる事を極端に嫌がっていた。
「蛍光灯の光でも色が褪せるのよ!!」と洋服を押し入れやクローゼットに入れ込み
窓はおろかカーテンを開けるのさえ嫌がるようになっていた。
ドラキュラかよ・・・・
そのせいで、風も通らなくなった部屋は
押入れの扉にカビが生えており、洋服もカビ臭いものが多かった。
いつからこんな事になってたんだろう?
Y子さんはこんな部屋で寝てたんだ・・・
実家は父とY子さんの2人暮らしだったので
私たち3姉妹が出た部屋が余っており、父はその2階スペースを書斎と寝室にしていた。
そのせいで、Y子さんの部屋はこんなにまで酷い事になってしまっていた。
とにかくこのカビた洋服を処分しなくては・・・・
でもY子さんは、子供のように抵抗をする。
「触らないで!自分でするからほっといて!!」と部屋に人を入れない。
そしその洋服を全てプラスティックの衣装ケースに詰め込もうとする。
「捨てるなんて言ってないよ!!いい洋服が多いからさ、私たちにも頂だい!!」
捨てることを全力で嫌がるY子さんに、そう言ってみるけれど
「アンタたちとはサイズが違うから、着れないはず・・・嘘じゃないの??」と
こんなところだけはカンが冴えている。
どうにもこうにも融通がきかない。
執着心が異常だ・・・・恐るべし認知症。
でもあまりストレスになっても良くないだろう、
とは言え、キレイにリフォームした家にカビた服は持ち込みたくない。
何か対策を考えなくては・・・
Y子さんが執着するのは洋服だけではない。
古い膨大な量の食器類も、処分させまいと目を光らせていた。
敵は一筋縄ではいかない・・・
リフォーム地獄の後は、処分戦争の始まりだった。