Y子さんが認知症を発症した当時、鬼のような顔でいつもイライラして、父の悪口や他の何かに対する文句ばかり言っていた。
食欲もあまり無く、すっかり痩せてしまい、何を食べても「甘い」と言い、好きな食べ物も食べたい物も分からなくなっていた。
毎日食事を作って届ける私に対しても「アンタの作るご飯は甘いもんね・・」と、そんな苦情ばかり言っていた。
人に気を使ったり、感謝をしたりと言う感情がすっかり抜け落ちていて
「もう昔のY子さんは居なくなってしまったんだな・・・」と悲しい気持ちになったのを覚えている。
あれから数年。
今のY子さんはあの時のY子さんと全く違う。
いつもニコニコしてご飯も美味しく何でも食べる。
ご飯を届ける私に対しても「忙しいのにいつもありがとうね~♪毎日美味しく頂いてますよ。」と、必ずそう言ってくれる。
相変わらず物忘れは多いけど、人に対する思いやりの気持ちはちゃんと取り戻している。
私にとってそれが何よりも嬉しい。
Y子さんがいい方に変わった一番の要因は、ストレスのせいで出来ていたデッカイ胃潰瘍が治ったおかげだ。
胃潰瘍が治って食欲が戻るとともに、徐々に顔も穏やかになり気持ちが落ち着くようになった。
少しふっくらして顔色も良くなり、何でも「甘い」と感じていた味覚も戻ったし、白髪で真っ白だった髪も少し黒っぽく変わってきた。
そのY子さんの変化には本当に驚いた。
そしていかに 「食べる事=栄養を摂る事」 が大事なのかを実感した。
胃潰瘍事件以降、少しでも認知症に効果がありそうな栄養素は、なるべく使うように心がけている。
Y子さんの為だけでなく、自分や家族の為にもなるはずだからね。
認知症に効果的な食事とは?
食事の効果はすぐに出るものでは無いと思う。
でも間違いなく数年後に違いは出てくる。(と、信じている)
今日食べているもので明日の身体が出来る。
いつもそんな気持ちでご飯を作っていこうと思う。