初期の認知症であるY子さん。(母)
日常生活にはあまり不便はないが、記憶力は低下している。
特に短期記憶と言われる部分。
ついさっきの会話や、昨日の出来事なんかは
かなりの確率で忘れてしまっている。
そんなY子さんに毎日のように付き合っていると、
忘れてしまうのが当たり前のように思えて来て、
たまに前日の事をくっきり覚えていると、逆に驚いてしまう。
そんなY子さんの脳ミソがフル稼働した。(笑)
実は少し前にに娘が就職試験を受けたのだ。
その試験の当日、Y子さんの家に立ち寄って、
「今から試験に行って来るね~」とY子さんに話した娘。
Y子さんも「頑張ってね~!!」と力強く応援してくれた。
その翌日。
「娘ちゃん、試験どうだった?」と真っ先に聞かれたのだ!
あらあら!これは珍しい。
前日の事を覚えているんだな・・・
「なんか全然できなかったらしいよ~」
「思った以上に倍率も高そうだから無理かもね。」
そう伝えると、「そうなの~?」と残念なご様子。
でもその後も何回も娘の試験の話をしてた。
1次試験の結果は速達で届くことになっていたのだが、
その速達がなかなか届かない。
一昨日届くと思っていたのに、その日はなぜか来なかったのだ。
で、昨日。
家で待つ娘もイラついているし、その娘に付き合う私も疲れる。
バイクの音がするたびに外を覗く娘。
2人でヤキモキしても仕方がないので、
とりあえずY子さんの家にオカズを持って行った。
すると家に入るなり「どう?」と聞くY子さん。
あんなに何でも忘れてしまうのに、何だ?どうした?
よっぽど結果が気になるらしい。
「まだ速達が来ない!」と言うと、
「もう早く帰りなさい!結果が来たら電話してね。」と帰された。
いつも少しでも長く居てもらいたい素振りをみせるのに・・・・
なんだか認知症になる前のY子さんに戻ったような感じだった。
結局、結果が届いたのは夕方になってからだった。
速達で・・・と書類に書いてあったにも拘わらず、
なんと普通郵便で届きやがった。(ちょい怒ってる)
でもなんとか無事に一次合格。
待ち疲れた娘はグッタリとなっていた。
全く自信がなかっただけに、疲れは倍増したようだった。
すぐにY子さんに電話を入れる。
「もしもし」と話しただけで、「合格したね~♪」と言うY子さん。
私の声のトーンだけで分かったらしい。
どうやら娘の試験に関して、Y子さんの脳はフル稼働しているようだ。
記憶もクッキリ、しっかりしている。
本当に驚かされるよ・・・こんな事もあるんだね。
これも脳に刺激を与えているのかもしれない・・・・
娘の試験は三次試験まで続く。(予定ではね)
できるだけY子さんの脳に刺激を与えられるように、
最終面接まで頑張って頂きたいものだな。(笑)