2014年夏 母(Y子さん)が認知症になってしまった!

「嘘も方便」 仕方がないよね。

Y子さん(母)宅が引っ越しを決めて2か月。

家のリフォームに時間が掛かかった上、不用品の処分が思うように出来ず

なかなか順調に進まない。

不用品・・・・それはカビ臭い、Y子さんの洋服の山だ。

新居(古いけど)にはそんな洋服の山を持ち込んで欲しくない。

でもY子さんは「どれもこれも着る!捨てない!」と全く処分する気がない。

元々、整理整頓が得意ではなく 、あまり処分もしてこなかったY子さんの持ち物は、

洋服以外でも 「もう使わないよね~」って物が2/3は占めているように見えた。

不思議な事にY子さんは、洋服と食器以外の物に関してはほとんど興味を持たなかった。

なので、不用品と必要な物を仕分けしながらサクサク荷造りをする事ができた。

長年趣味で作った作品や、その道具なども「もう要らないから」とサラッと言う。

何故だ?何が違うんだ??

ところが洋服の山に手をかけようとすると、物凄く抵抗する。

「触らないで!自分でするから!!」そう言いながら、ポイポイ衣装ケースに放り込む。

食器類も同じように抵抗し、劣化したお弁当箱だって処分させてくれない・・・

このままでは険悪になる一方だ。

ここはY子さんの思うようにさせるしかないね。

父は渋々カビ臭い洋服が詰め込まれた衣装ケースを、車に詰め込んだ。

荷物は一度に移動せず毎日すこしづづ運んだ。

だから Y子さんが実家に居る間に、運ばれた荷物から古いカビ臭い衣類をコッソリ処分した。

バレたら困るので、思うようには捨てられなかったけどね・・・

とりあえず新居では、一緒に整理整頓をしながら片付ければいい。

家族は皆そう考えて渋々荷物を運んだ。

Y子さんにストレスは禁物だからね。

ところがですよ! 荷造りで触らせなかった物は、新居でも触らせないんだよこれが。

「自分でゆっくり片付けるから触らないで!」と言う。

「自分の使いやすいように片付けたいから、後からゆっくりする」と・・・

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でも、片付ける事ができないY子さんの部屋は あっという間に洋服の山で埋め尽くされた。

洋服の事はひとまず後回しにして、Y子さんの目を盗みながら

古い食器や劣化したタッパ類などを、どんどん袋に放り込み 私の車に詰め込んだ。

ゴミ袋に入って捨てられる食器を見たら、怒って取り返しに来るに決まっている。

そうならないよう、ゴミは私が家に持ち帰って捨てるようにしていた。

Y子さんには「食器が入った箱を運ぶ時に、お父さんが転んで割ってしまった。」と

そう苦しい嘘をついて、食器が減ったのを誤魔化した。

「嘘も方便。」まさにその通りだ。

言ったことはすぐに忘れてしまうY子さん。

なのに「お父さんが食器を全部割ったから、食器がぜんぜんないの!!」と

今でもちょくちょく文句を言う。  忘れて欲しい事は忘れないものなのだ。

肝心の洋服を処分するためにも、こんな嘘をついた。

「孫ちゃん(娘)の母校で、海外ボランティアの為に古着を集めてるの!

良かったらY子さんの着ない洋服を寄付してくれるかな??」と。

娘の母校はカトリック系の学校で、不要になった洋服や文房具などの寄付を募り

それを海外に送っていたのですよ。

それを思い出し利用させてもらいました。

もちろん寄付には出さず、リサイクルに出したんですけどね。

最初Y子さんは、嫌々2、3枚の洋服を差し出したのですが

「それじゃ少ない!孫ちゃんの為にもっとお願い!!」と言いながら

結果的にはカビ臭いものを中心に、ゴミ袋3袋分ほどの洋服を回収した。

Y子さんも「孫ちゃんの為ならしょうがないね!」と納得してくれた。

Y子さんのストレスにならないよう、不用品を処分するのが こんなにも大変だとは思わなかった。

認知症になってからの頑固さと、こだわりの強さには本当に驚く。

Y子さんは洋服と食器に何故こんなに拘るんだろう? 本当に不思議だ。

結局Y子さんの部屋は、未だに片付いてはいない。

そして相変わらず「光が入ると洋服の色が褪せる」と言いながら カーテンが開けられないままだ。

とりあえず状態をチェックしながら様子を見るしかないようだ。


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