2014年夏 母(Y子さん)が認知症になってしまった!

ついにキレた!そして悟った事とは。 後編

実家の引っ越し騒動で、ついに姉に対してキレてしまった私。

Y子さん(母)の認知症診断以降、色んな面でのストレスが少しづつ蓄積していたのが

一気に爆発してしまった。

「私は自分の出来る事を、出来る範囲でする」

そう言った姉に対して、とにかく腹が立って仕方がなかった。

じゃあ、私がご飯を作らなかったら、両親はお弁当やお惣菜ばかり食べることになるよね?

私が病院に連れて行かなかったら、Y子さんはそのままだったよね?

何でも私が引き受けるから、姉はそんな悠長な事が言えるんだ。

私がしなかったら、姉がしなくてはいけない事なのに

それをちっとも分かってないじゃないか!!

「そんなに無理ばっかりしてると、ストレス溜まるよ。

もっと気楽に向き合ったらいいんじゃないの??嫌々するならしない方がいいと思うよ。

そんなんじゃ、Y子さんや父さんの事を嫌いになってしまうよ~」  そう姉は言った。

正にその通りだよ。

無理してるからストレス溜まるし、Y子さんや父のことを嫌になってるよ。

顔を合わせるのもキツイよ。

それは半分はアンタのせいだよ!!

こんなイライラは妹に電話で聞いてもらっていた。

でもね、今になって考えると妹も困ったよね・・・自分は遠くで、手助けできないんだもんね。

妹もずいぶんと私に気を使ったんだろうと思う。

この頃、偶然にも妹は帰省する予定を立てていたので(引っ越し話が持ち上がる前に決めてた)

帰ったらゆっくり話そうね!と言う事になった。

でも、どうにも腹の虫がおさまらない。

そんな時、たまたま娘を車で送迎する機会があった。

もう大学生の娘は、母のイライラやストレス具合なんかもちゃんと分かっている。

なので「この前、姉ちゃんとケンカしたんだよね~」なんて話をしてみた。

私は「そうだよね~ママが居なかったら○○ちゃん(姉の事)は困るよね」と

娘はそう言ってくれるものだとばかり思っていた。

しかし開口一番、娘はこう言った。

「ママ、それは違うよ。

ママが居ても居なくても、○○ちゃんは変わらないよ。

ママが居なくても○○ちゃんは、自分の出来ることを出来る範囲でしかしないと思うよ。」

そう言った。

「えっ!?じゃあ、Y子さんの病院とか、ご飯のお世話は??どうするの?」そう聞いた。

「それは出来ないんじゃない?でもそれはそれで仕方がないんだと思う。

○○ちゃんは、どんな事があっても○○ちゃんのままで、きっとブレないよ。」  そう言われた。

その時、初めて姉の事が分かったような気がした。

そうか・・・そうなんだ。

姉は何もかもを私に押し付けている訳じゃなかったんだ。

私が居ても居なくても、姉はマイペースな姉のままなんだ・・・・と。

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「出来ることを出来る範囲でする」ってそう言うことなんだ。

決してズルい考えで私を利用していたんじゃなかった。

たとえそれで両親が多少不自由をしても、それは仕方がない事なんだ。

無理をしても続かない事を、無理をしてまで頑張る必要が無いことを

そう割り切ることが大事だって事を、姉はちゃんと初めから分かっていたんだ。

更に娘は言う

「ママと○○ちゃんは正反対だから、お互いの気持ちが全く分からないんだと思うよ。

私は中間だから、どっちの気持ちも分かる。

だからママみたいには無理できないし、○○ちゃんほど冷静にもなれないな~」って

ストンと力が抜けた。

同じ姉妹でも全く考え方が違ったんだね。

例えばね、同じ「ハシゴ」を見て話をしていても、真正面から見ていた姉と

横から見ていた私とでは、「ハシゴ」の印象が全く違う。

でもその「ハシゴ」についてお互いの印象を話し合ってる。

そのくらい、お互いの親への思いは噛み合ってなかったんだよね。

う~ん、ちょっと例えがヘンだな。   でもそんな感じ。

姉は小さい頃から、とっても親思いだった。

多分3姉妹の誰よりも、両親を大事にしてきた。

だからY子さんが認知症と診断されたとき、姉と手を取り合って

一緒にお世話しようと思っていた。

でも「手を取り合って一緒に」って言う部分が全く出来ていなかった。

多分、私はそれが不満だったのだろう。

押し付けられてるって言う自分の思い込みが、ストレスを増加させていた。

無理してでもしないといい娘じゃない!そう言う思いが、さらに自分を苦しめていた。

な~んだ!無理しなくてもいいんだ。

やっとそんな事が分かった。

そう思ったら、ビックリするほど気持ちが楽になった。

後日、帰省した妹にそんな話をしたら

「私が言おうと思っていたことを、娘ちゃんに言われちゃったね」と言われた。

妹も娘と同じで中間層らしい。(笑)

いつもまにか大人になっていた娘に救われた。

娘は「ママには私が居るよ!」とも言ってくれた。

私は背中のとてつもない大荷物を、すっかり降ろす事ができた。

私は独りじゃなかった。

そんな事に気が付くのに、1年以上かかってしまった。

今でもイライラもするし、Y子さんに付き合うのも疲れる。

でも、根本的なところで安定している。

もう大丈夫。

大丈夫。

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