認知症になって以降、ほとんど料理をしなくなっているY子さん。(母)
なので毎日私がオカズを作って、実家に配達している。
作ったオカズばかりではなく、たまには生の状態の魚や肉などを届けて
「焼いてね。」とか「煮てね。」と調理法と伝え、Y子さん自身にも作ってもらうようにしている。
でも引っ越しをしてキッチンがIHに変わってからは、あまり自分で作りたがらなくなっていた。
「焼いてね」と届けたお肉が、調理されず冷凍されていることもたまにあった。
どうやら気分が乗らないと調理はしないらしい。
そんなY子さんの家に親戚からタケノコが届いたのは昨日の事。
キレイに下茹でされたタケノコが水に浸かっていた。
両親はタケノコが大好きで、毎年この時期を楽しみにしている。
Y子さんが作るタケノコの煮物は絶品なんだ~!!
でも今年のY子さんは全く料理する気がないらしい。
下茹でしたタケノコを眺めながら「コレ持って帰って調理したのを頂戴♪」と私に言った。
まあ、そうなるだろうと思っていた私は「はいはい!」と返事。
ところがバタバタしていた私は、帰りにタケノコを持ち帰るのをすっかり忘れてしまっていた。
で、今日。
いつものようにY子さんの家に行くと、冷蔵庫の中に鍋が2つも入っているのを発見した。
ん??なんだろう?今度は何を食べ残して保存しているんだろう?
そう不審に思い鍋の蓋をあけてみた。
すると・・・なんと言うことでしょう~♪(劇的ビフォー・アフター風よ)
美味しそうなタケノコの煮物が2種類も作られていたのですよ!
鰹節で煮たのと、昆布とイリコで煮たもの。
「Yこさん!食べていい??」と私は大喜びでつまみ食いをしてみた。
「うううう旨し!!!」
久しぶりのY子さんの味だ・・・・懐かしの母の味だ。
もうY子さんのご飯は食べられないと思っていた私は、ものすごく感動してしまった。感涙
長年美味しい料理を作ってきたY子さんの腕は、ちっとも落ちてはいなかった。
喜んで食べる私を見てY子さんは気を良くしたらしい。
「いっぱい持って帰んなさい♪タケノコ貰ったらまた作るからね!」と、嬉しそうに
タッパにタケノコを詰めてくれた。
大喜びの私と、ご機嫌なY子さん。
2人キッチンに立ったまま、お行儀悪くタケノコのつまみ食いをした。
その後、食品の買い出しに出た私はY子さんと父の大好きなアサリを購入。
またY子さんの家に戻って「Y子さん、アサリが出てたよ~!酒蒸ししたら?」と言ってみた。
Y子さんはこれまた喜んで、「もう1回砂抜きしようかな?」とアサリを塩水に浸けていた。
どうやら今夜は「アサリの酒蒸し」が出来上がりそうですな♪(多分ね)
Y子さん、やれば出来るじゃん!
なるべくテンションを上げて、少しでも楽しんで料理ができるようになるといいな~。
久しぶりの母の味に、ついついこんな期待をしてしまうのでした。