2015年8月。
お盆が明けてすぐ、父がご飯を取りに我が家に来た時
びっくりするような事を言い出した。
「お母さん(Y子さんよ)がね、引っ越ししようって言い出したんだよね♪」と
・・・・・・・は??引っ越しですと?
その当時、Y子さんは我が家から車で30分ほどのT市に住んでいた。
Y子さんの相手に疲れ気味だった私にとっては、程よく離れた距離だ。
近くもないので、Y子さんも自分ではなかなか訪ねては来ないし
私も頻繁に訪ねるには、ちょっと距離がある。
それが我が家と同じO市に越して来ると言うのだ、
しかも我が家からは車で5分程度の場所。
実はその場所には父の実家があるのです。
数年前に1人で住んでいた祖母が亡くなり、今は空き家になっているけれど
父が頻繁に趣味で利用しているので、とりあえず使える状態にはなっている。
「ちょっと!ちょっと!ちょっと!
そんなに近くに来ちゃったら、ますます私にばかり負担がかかるじゃん!!」
心が狭い私は、まず自分の事を真っ先に考えた。
「目の前真っ暗!お先真っ暗じゃん!
これじゃ将来は、姉の家には絶対に行かなくなるよ!!」
父の話に生返事をしながら、正直倒れそうだった私。
でもね、確かにそのほうがいい。
T市の実家はけっこう田舎なので、車がないと生活できない。
近くに歩いて行けるお店もない。
このままT市にいたら、車の運転が心配になってきた時が困る。
Y子さんだけでなく、父だって同じだ。
その点O市の家は、近くにバス停もコンビニも病院や、スーパーだってある。
しかも我が家に近く、父の妹も近くに住んでいる。
こんな便利な場所は他にはない・・・・・それは分かってる。
でも父の実家に住むのを断固嫌がっていたY子さんが、
自分から引っ越しを言い出すなんてマジか??
驚きとともに私は嫌で嫌でたまらなかった。
そんな私の心中を全く知らず、父は嬉しそうに話を続ける。
「お母さん、O市に引っ越したら車は要らないから、免許証を返納するって言ってる」と
そりゃ~いい事だわ!!
運転が心配だったのと、簡単に免許を手放さないだろうと思っていたので
それは本当に朗報だ。
心配の種がひとつ減るよね。
でもね・・・・私は嬉しくない。
ウキウキする父とは反対に、落ち込む私。
これから先の引っ越し作業や、O市の家のリフォーム作業もある。
古い家なので、水回りや畳替えなど
しなくてはいけない事も山のようにあるだろう。
きっとそんな作業も我が家にドンと負担がかかるはずだ。
こんな事になるなんて思ってもいなかった。
いつかT市から姉の家に移ると思ってたのに・・・・
ショック。
そんな事しか考えられなかった。
「晴天の霹靂」そんな言葉だけが、頭の中をグルグル回っていた。