Y子さん(母)が今住んでいる家に引っ越しをしてそろそろ半年になる。
引っ越したばかりの時は環境の変化により、認知症の症状が進まないだろうか?
そう随分心配したが、お陰さまでちゃんと新しい環境に適応している。
まあ、電化製品の使い方には苦戦したが、それも今はすっかり慣れて使いこなしている。
そんな何もかも順調に見えるY子さんの生活だが、実はひとつ困った事がある。
それはご近所さんの顔と名前がなかなか覚えられない事だ。
Y子さんは滅多に出かける事なく、1日中家で過ごしている。
出かけるのは夕方の散歩の時くらいなので、ご近所さんと顔を合わせる機会がほとんどない。
両隣さんや数件先までは引っ越しの挨拶で顔を合わせているが、
勿論それぐらいで覚えるY子さんではない。(1回くらいじゃ私も無理かな?)
ところがこの家は父の実家である。
だからご近所さんは父のことをよく知っているので、時々ご近所さんが差し入れに来られるのだ。
「ミカンのお裾分け」とか「タケノコ如何?」とか・・・・
父が家に居る時ならいいが、活動的な父は意外にお留守が多い。
週に3回はジムに通い、元の実家に片付けにも行く。
そしてそれなりの年齢にもかかわらず、まだ需要があるので仕事もする。
だからY子さん1人だけの時にご近所さんが訪ねて来ることも多いのだ。
父が帰って来て「このミカンどうしたの?」と聞いても
「誰か知らないけど持って来てくれた!」と、こうなるのである。
時には頂いた事も忘れてる時もあるので、頂いたお礼を言うが出来ないのだ。
物を頂くなら現物が目に入るからマシだが、何かの伝言なんかをされたらもう分からない。
Y子さんは一見認知症には見えない。
しばらく話をすると「ん?もしかしたら・・」と相手が感じる程度だ。(と思う)
だからご近所さんも特に気は使わないのだ。
でも、きっと知らない間に失礼をしている可能性もある。
こんな場合はどうしたらいいのか?ただいま模索中である。
そんな実家が最近になって公民館に加入したらしい。
父がご近所さんから加入した方がいいよ!と誘われたそうだ。
勿論Y子さんが集会に参加するのは無理なので、これからは父が自分で行くらしい。
昔はモーレツサラリーマンで、仕事以外の雑事は全てY子さんに任せていた男がである。
「隣組長さんなんかも回って来るから大変だよ!」と言ってはみたがもう後の祭りだ。
自分がちゃんとすると父が言うのでお手並み拝見だ。
今日は早速、回覧板をお隣に回しに行った。
しかも回覧板に挟んである書類はいちいちコピーして自分でも保管したらしい。(笑)
いちいち几帳面だと笑ってしまった。
さて、いつまで続きますやら・・・
新しい土地でのご近所付き合い。
思った以上に大変そうだ。