初期の認知症であるY子さん(母)。
同じ話を何度もくり返したり、ご飯が作れなかったり、
それなりに色んな症状が出ている。
でもまだまだしっかりしていて、日常生活に問題はない。
それでも最近目立つのは短期記憶障害だ。
さっき言った事や、昨日の出来事を忘れるなんて日常茶飯事。
こちらもすっかりそれに慣れて、もうなんとも思わなくなっている。
逆に昨日の出来事をくっきり覚えている事があると、
「お~!!Y子さん凄いじゃん!!」と驚くほどだ。(笑)
遠方に住む妹が前夜に電話したことも、
姉や甥っ子が前日に訪ねて来た事も、ほぼ記憶していない。
うちの娘が来た事は時々覚えているが、忘れてる事も多い。
でも保険屋さんが来た事や、昨日見た番組を覚えていたりもする。
先日久々に孫ちゃん(うちの息子ね)が来た事は、
翌日になってもしっかり記憶に刻まれていた。
珍しい出来事の方が記憶に残りやすいのか??
そう思うときもあるが、数か月前の熊本地震の時は全く覚えてなかった。
何がどうなって、記憶に残ったり残らなかったりするんだろう・・・
いつも不思議でならない。
ところが今日その不思議がますます深まった。
たまたま話の流れで4月の熊本県地震の話になった。
するとY子さんが「あれは怖かったね~」
「私は着替えてなるべく柱の近くに居たよ。」と言ったのだ。
その様子は地震直後に父から聞いた話と同じだった。
地震直後は全く覚えていなかったのに、
どうやら今はその時のことを鮮明に覚えているようだ。
前日の事を覚えてなくても、何回かその話を繰り返すと、
数日後には覚えている事は時々ある。
でもキレイさっぱり忘れていた出来事が、
こんなにリアルに思い出せた事ってあまりないかも?
地震はきっとそれだけ衝撃の体験だったんだろう・・・
逆に翌日キレイに忘れてた事の方が驚くべきことかもしれないな。
定着しない、覚えていないと言われる認知症患者の記憶。
でももしかしたら、全然違う引き出しに仕舞われていて、
開けられないだけかももしれない・・・・
記憶って本当に不思議だね。