毎日元気でご機嫌もいいY子さん。
この頃はお相手をするのもあまり苦ではなく助かっている。
とは言え、初期の認知症であることに変わりはなく・・・・
記憶力のほうは怪しいことが多々あるのが現状だ。
落ち着いている時はさっきの会話を覚えている事も多いが、
「もしかして私、忘れてる??」と本人が気が付いたとたん、
プチパニックになって、ついさっきの事も忘れてしまう悪循環に陥る。
先日無事に娘が就職の内定を頂いた。
「結果は1週間から10日程度で郵送にて届きます。」との事だったので、
1週間を経過した頃から、毎日毎日郵便屋さんを待つ生活を送っていた。
なので当然、Y子さんとの会話にもその話が・・・・
「合格するといいね~」と毎日のように2人で話をしていた。
待ちわびる事12日目、やっと届いた内定の通知。
娘は早速、Y子さんに報告の電話をかけ喜んでもらっていた。
でも年明けの国家試験に合格しなければ内定は取り消しになる。
それを知っているY子さんは娘を激励してくれた。
そしてその後、私とも電話で再び国家試験の話をしたY子さん。
まるで応援団長のように娘を応援してくれていた。
その翌日。
いつものようにY子さんの家にオカズを持って行き、
「とりあえず内定してちょっと安心したね。」とY子さん言うと、
「ん?何が?」との返事。
お~まいがっ!またやっちまったよ・・・Y子さん覚えてないじゃん!
アワアワと慌てながら、「○○(娘ね)、就職内定出たんだよ。」
「Y子さんに電話ておくって言ってたのに、電話してなかったんだね!」
と、娘が電話をしなかったと言う設定に無理やり着地させてみた。
するとY子さん、ホッとしたような顔をして「電話なかったよ!」と言った。
「も~○○ったら!ダメよね。」と話を合わせながら心で娘に手を合わせる。(笑)
ところがですよ・・・話をしているうちに、なんとY子さんの記憶が蘇ったのだ。
「ん??でもよく考えたら、昨日その話アナタとしたよね?」
「電話で内定したってアナタが言ったよね!?」と言い出した。
この展開マジで困るんですけど・・・・(汗)
もはやどう誤魔化していいのか分からん!!
「えっ?そうやった?私も色んな人と電話で話したからウッカリしてたよ。」
そう言ってはみたが、Y子さんは目をクルクルさせながら不安顔になった。
「私ね・・・最近すぐに何でも忘れるみたいなのよ。」と落ち込む。
「そんなのその年になったら皆そうよ。」と慰めるしかない私。
プチパニックになったY子さん、その後の記憶力はボロボロだった。
でもね、いいのか悪いのか?こんな事もきっとすぐに忘れるよね。
明日になったらもう覚えていないはず・・・多分・・きっとね。(汗)