認知症の症状が出てY子さん(母)が出来なくなった事がいろいろある。
①料理。
正確には買い物に行って「何を作ろう?何を買おう?」と
考える事が出来なくなった。
でも材料を渡し、「コレを作ってね」と言えば、ちゃんとなんでも作れる。
②整理整頓が出来なくなった。
元々あまり片付けが上手な人ではなかったけれど、何をどこに片付けていいのか
さっぱり分からなくなってきたようで、特に洋服類は雑然と積み上げられていた。
③道を忘れるようになった。
認知症と診断されてからも、車の運転をしていたY子さん。(お医者さんのOKも出ていた)
でも、時々道が分からなくなっていたようで
私の家に来るのに、とっても時間がかかってしまう時があった。
車の運転に関しては回りの方が心配をした。
④人に気配りができなくなった。
「歯に衣着せぬ」を地でいくので、一緒にいてギョッとすることも多い。
出来なくなった事は他にも色々あるけれど
しなくなった事も沢山ある。
①オシャレを全くしなくなった
②お風呂に入るのを面倒くさがるようになった。
③長年の趣味も辞めてしまった。
④家から出るのを嫌がるようになった。 などなど
ネットで検索した認知症の症状が、そのままピッタリ当てはまる。
もともとY子さんはとっても若々しくて、活動的な人だっただけに
より変化が大きく感じられたんじゃないかな?と思う。
大人しい内向的な性格の人は、意外に周りが気が付くのが遅くなる事があるかもしれない。
それと、これは「出来なくなった、しなくなった」ではないけれど
現実と想像が混じった過去が出来上がっている時がある。
例えばね
「群馬から2階建ての新幹線に乗って博多に戻るとき、黄色い新幹線をしょっちゅう見てたよ!」
そう言う。
黄色い新幹線とはドクターイエローの事だ。
ドクターイエローとは新幹線の線路や架線、信号電流の状態を調べながら走る
いわゆる設備用の新幹線の事だ。 (wikipediaさんから画像をお借りした。)
この車両、滅多に見る事ができない珍しい新幹線なのだ。
Y子さんは習い事の関係で博多~広島間を新幹線で往復することはよくあった。
でも、群馬から新幹線に乗ったのは多分2~3回。
ましてや群馬から博多に直通の新幹線はない。
でも「違うよ!いつも群馬から博多までずっと2階建ての新幹線に乗って帰るのよ」
そう言い張る。
そして「黄色い新幹線はいつもすれ違ってた」 そう言う。
家族が聞いている分には、「はいはい、そうかもね~」でいいけれど
他人が聞いたらとんでもない嘘つきだわ・・・
こんな事は増えてきてるかもしれない。
楽しい仮想記憶ならいいけれど
父の悪口にも仮想が混じる時もある。
きっとこんな状態が進むと、「お金を取った!」とか「ご飯を食べさせてくれない!」とか
そんな話に発展していくんだろうな。
認知症の診断から1年半。
物忘れだけでなく、こんな変化がすこしづつ起こっている。
どうかゆっくり、ゆっくり・・・進行を遅らせる事ができますように。
そう願う毎日です。