普段あまり間食などしないY子さん。
甘いものが大好きで、毎日嬉しそうにオヤツを食べる父とは対照的だ。
そんなY子さんにも大好きなお菓子がある。
それはゼリーだ。
しかも冷蔵庫にいれて食べるゼラチンで作ったモノより、
常温で保管できる一口大のゼリーが好きなのだ。(硬めのヤツね)
先日、自然食のお店でY子さんが好きそうなフルーツゼリーを見つけた。
コロンと小さな三角で、リンゴや桃、マスカットなど色んな味が入っている。
Y子さんが喜びそうだな~と思い購入してみた。
早速Y子さんの家に持って行くと、嬉しそうにお仏壇の前に置きに行った。
そしてお茶を入れると、そそくさとお仏壇の前からゼリーを持って来た。
ご先祖さまもビックリの早さだ。(笑)
そして袋を開け、私にも食べるよう勧めてくれた。
1個食べたらとても美味しかったらしい。
「あら!これは美味しいね~」と言いながら手が伸びる。
「アンタもどう?」とまた勧めてくれたので、私ももうひとつ頂いた。
が、それ以降「もうひとつどう?」とは聞かなくなった。(笑)
そしてなんとな~く袋を私から遠ざけるような素振りを見せ始めた。
その時、いつも遊びに来てくれる叔母が「こんにちは~」と訪ねて来た。
Y子さんはニコニコしながら叔母を迎え入れ、
ニコニコしながらお茶を準備する。
そしてニコニコしながら、そぉっとテーブルに出ていたゼリーを袋に戻し、
小脇に隠すようにしながら、お茶の間からキッチンのほうに持ち去った。
気に入ったゼリーを叔母に出したくなかったようだ。
子どもじゃ・・・・まるで子どもじゃ・・・(大笑)
その様子を見ながら、私は可笑しくて笑いを堪えるのに苦労した。
以前のY子さんなら美味しいものほど人に勧めていただろう。
でも今は好きなものほど隠しちゃうんだな。(笑)
なんだか可愛いぞ。
翌日、Y子さんの家に行くとゼリーはすっかり無くなっていた。
父は出かけていたので、間違いなく1人で全部食べてしまったのだ。
小さいゼリーだったが、数はそれなりに入っていたんだけどね。
よっぽど気に入ったんだな。
Y子さんの喜ぶモノを見つけたぞ。
これから時々差し入れして喜ばせてあげよう。
そして私もY子さんが人に取られないようせっせと食べる姿を、
コッソリ楽しませて頂く事にしよう。(悪趣味かしらん??)