いつものようにオカズを持って実家に行った。
家に入るなり待ち構えていたY子さんがこう言い出した。
「お母さん、脳がヘンになったみたい!!」と。
何だ?どうした??何があった??
ちょっとドギマギしながらどうしたのかを問うと、
「タッパーの蓋がひとつも見当たらないの!!」
「間違って捨てたのかもしれない・・・私どうかしたみたい。」と言った。
そういう事か。
実はここ数日、父が家を留守にしていた。
いつもオカズはタッパーに入れて持って行くのだが、
父が居ない時はランチプレートにY子さん用のご飯を盛る。
ランチプレートには幾つかの小鉢を乗せる形になるので、
Y子さんはその小鉢に蓋があったと勘違いしていたのだ。
「どんなに探しても蓋がない・・・捨てたみたい。」
そう落ち込んでいるY子さん。
慌てて「小鉢だから蓋はないよ!大丈夫!!」と説明した。
それを聞いたY子さんは心底ホッとしたような顔をして、
「良かった~!お母さんボケたのかと思った。」
「最近よく忘れるから、脳がどうにかなったのかと思ったよ。」と言った。
う~んコメントしにくいわ。(汗)
「大丈夫!大丈夫!Y子さんはまだまだしっかりしてるよ!」
そう言いながら一緒にお茶しをした。
どうやらY子さんはずっと蓋を探していたようだ。
ゴミの袋の中も探したらしく本当に気の毒だった・・・
オカズを入れるタッパーは陶器や耐熱ガラスの物を使う事が多い。
そんな器は蓋を取ると小鉢や中鉢にもなるのだ。
だからY子さんはいつものように蓋があると勘違いしてしまった。
Y子さんにとっては区別しにくかったんだね。
ほんのちょっとした事でもY子さんの混乱の原因になる。
そんな事に気づかされた。
いつもと違う事はあまりしない方がいいな・・・そう思った。
自分の脳がどうにかなったんじゃないかと怯えながら、
1人で蓋を探し続けたY子さんを想うと胸が痛む。
ごめんねY子さん。
私も今度から気を付けるね。