2014年夏 母(Y子さん)が認知症になってしまった!

「お母さん、脳がヘンになった!」

いつものようにオカズを持って実家に行った。

家に入るなり待ち構えていたY子さんがこう言い出した。

「お母さん、脳がヘンになったみたい!!」と。

何だ?どうした??何があった??

ちょっとドギマギしながらどうしたのかを問うと、

「タッパーの蓋がひとつも見当たらないの!!」

「間違って捨てたのかもしれない・・・私どうかしたみたい。」と言った。

 

そういう事か。

実はここ数日、父が家を留守にしていた。

いつもオカズはタッパーに入れて持って行くのだが、

父が居ない時はランチプレートにY子さん用のご飯を盛る。

ランチプレートには幾つかの小鉢を乗せる形になるので、

Y子さんはその小鉢に蓋があったと勘違いしていたのだ。

 

「どんなに探しても蓋がない・・・捨てたみたい。」

そう落ち込んでいるY子さん。

慌てて「小鉢だから蓋はないよ!大丈夫!!」と説明した。

それを聞いたY子さんは心底ホッとしたような顔をして、

「良かった~!お母さんボケたのかと思った。」

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「最近よく忘れるから、脳がどうにかなったのかと思ったよ。」と言った。

う~んコメントしにくいわ。(汗)

「大丈夫!大丈夫!Y子さんはまだまだしっかりしてるよ!」

そう言いながら一緒にお茶しをした。

 

どうやらY子さんはずっと蓋を探していたようだ。

ゴミの袋の中も探したらしく本当に気の毒だった・・・

オカズを入れるタッパーは陶器や耐熱ガラスの物を使う事が多い。

そんな器は蓋を取ると小鉢や中鉢にもなるのだ。

だからY子さんはいつものように蓋があると勘違いしてしまった。

Y子さんにとっては区別しにくかったんだね。

 

ほんのちょっとした事でもY子さんの混乱の原因になる。

そんな事に気づかされた。

いつもと違う事はあまりしない方がいいな・・・そう思った。

自分の脳がどうにかなったんじゃないかと怯えながら、

1人で蓋を探し続けたY子さんを想うと胸が痛む。

ごめんねY子さん。

私も今度から気を付けるね。


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