2015年11月。
てんやわんやの末、やっと両親の引っ越しが完了した。
引っ越しを決めてから3ヶ月弱、私も主人もヘトヘトになるくらい振り回された。
元々住んでいた実家には、まだまだ荷物が残ってはいるけれど
それは追々必要に応じて運ぶことにした。
実家はそのうち売却する予定らしいが、Y子さんが「やっぱり帰る!」と
言い出す可能性もあるので、しばらくはのそのまま空き家しておくらしい。
今回引っ越しをするにあたり、一番心配したのは認知症の症状の悪化だ。
Y子さんが認知症と診断されてから、それらに関するいろんなサイトをやまほど読んだ。
その中に「環境の変化は症状を悪化させる可能性がある」と書いてある記事を、
いくつも見かけていたのだ。
実際に「両親が姉の家に同居する時期」について、少しでも早いほうがいいのか?
それとも症状が進んで、父と母の2人だけでは生活が難しくなってからのほうがいいのか?を
最初に受診した病院の先生と、家族(父、姉、妹、私)が揃って話し合ったことがあった。
その時に先生は「環境が変化すると症状が進む場合があるよ」と、やはりそう仰っていた。
認知症の人が新しい生活環境に慣れるのは、思っている以上に大変なようだ
トイレだって、お風呂の蛇口だって、使い慣れたものではなくなり
すぐに忘れてしまうY子さんにとっては、使い方を覚えるのも一苦労だろう。
今までのご近所付き合いもなくなり、毎日の日課、ウォーキングだって行けなくなるかもしれない。
果たしてそれがY子さんの為になるのだろうか?
少しでも早いうちに新しい環境に慣れた方が、生活にも馴染みやすいようにも思う。
でも同居となると、お互いに遠慮をしたり、気を使ったり・・・ストレスは溜まるだろう。
ましてや老人2人の家庭と、子育て世代の家庭とでは生活パターンは全く違う。
食事の時間一つとっても、互いに妥協し歩み寄らねば生活して行けない。
父もまだまだ元気だし、Y子さんも認知症とは言えまだ初期段階。
お互いに自由きままに生活をする空間は必要だと言うことで、その時は早期の同居は見送られた。
ま、早々に姉の家に住んで欲しいと願っていたその時の私は
正直けっこうガッカリしてしまった。(笑)
そんな経緯もあったので、今回の引っ越しが決まった時に
BOOCSクリニックの藤野先生にも相談をしてみた。
先生は引っ越しにとても前向きで、張り切っているY子さんの様子を見ながら
「引っ越しが落ち着くと、ウツのような症状が出る時もあるから
そんな時はすぐに診せに来てね」と仰った。
とにかく症状が悪化したら、その時々で対処していくしかない。
そう割り切って向き合っていくしかない。
「なるようになるさ・・・・きっと」