旅行最終日。
朝から温泉に入り元気いっぱいのY子さん。
前日は色んな事がありすぎたので、記憶はどこまで定着しているのか?
少しずつ探りながら会話をしてみた。
会った知人が3組→これは若干「ん?」と言う顔をしたが、
話を聞いてすぐに思い出したようで、無事に話に乗っかって来た。
よしよし!ちゃんと記憶に残っているぞ。
訪れた場所→あまりにも多かったせいか、記憶が曖昧な所も少しある。
それでも雪景色がキレイだった事はしっかり記憶していた。
これなら用心せずに前日の話が出来そうだ。
「昨日は楽しかったね♪みなさん元気で良かったね!」と話しながら、
ふたたび雪景色の中、車を走らせた。
風もあまりなく、気温も低いおかげで木々に積もった雪はキレイに残っている。
やっぱり雪景色はキレイだな~♪
Y子さんは見飽きる事なく外を眺めていた。
今日の目的地は「白川郷」。
昔何度か訪れた事はあるが、季節によって表情は違う。
茅葺の屋根にうっすら雪が積もる景色は、まさに日本昔ばなし。(笑)
観光にほとんど興味を示さないY子さんだが、雪景色はお気に召したようだ。
天気がイマイチなので長居はしなかったが、お土産を見たり散歩したり、
古き良き日本の風景を楽しんだ。
Y子さんはお土産を買う人の名前を数人あげていたが、
少し時間が経つと何人に何を買ったのかを忘れるので、
何回も「○○さんのお土産を買おうかな。」と言い出す。
「それはもう買ったよ。」と言うと「そうそう!そうだったね!」と言うが、
しばらくすると、また同じことを言い出す。
元気いっぱい楽しそうだが、こんなトコはやっぱり変わらないよね。(汗)
その後、富山県氷見市に向かう。
留守番をしている父をはじめ、家族に氷見の寒ブリをお土産にする為だ。
氷見の漁港近くにある道の駅で「白エビ」(冷凍よ)や「寒ブリ」などなど、
九州ではあまり見る事がない海の幸を買い込んだ。(重かったよ~)
食料品の買い物には全く興味を持たないY子さん。
なんだかつまらなそうに、ブラブラ黙って歩いていた。
興味のない物はハッキリ分かるのが笑える。
Y子さんが飽きているので、早々に買い物を切り上げ金沢に向かう。
お喋りをするのが一番楽しいらしく、まったくうたた寝もせず元気いっぱい。
ところがやはり疲れが出て来たらしく、記憶力が低下してきた。
だんだん自分がどこに来ているのかが曖昧になって来る。
福岡に居るのか?岐阜に居るのか?混乱していたようだ。
金沢で早めの夕食をとった時には、自分は福岡に居ると思い込んでいた。
金沢駅で妹と別れ小松空港に向かう。
空港でまた少しお土産を見たが、また同じ人にお土産を買うと言い、
あれこれ物色していた。
誰に何を買ったのかも分からなくなるので、私がしっかり確認しておこう。
記憶力がぐっと低下し、少し疲れた顔をしていたY子さんだったが、
それでもニコニコ楽しそうにお喋りは続けていた。
最後の最後まで楽しそうで本当に良かった。
「楽しかったね♪行って良かったね!」Y子さんは何回もそう言った。
「また4人で何処か行こうね!」
「女の子3人産んで、ホントに良かった♪」そう笑いながら言う。
こんなY子さんの笑顔を見ると、行って良かったと心から思えた。
Y子さん、また一緒に何処か行こうね。
そう約束して、2泊3日の旅は無事終わった。