認知症の思わぬ効果?で今まで不仲だったご親戚の方々と、
なんとなくいい関係になったY子さん。(それもヘンな話だが)
そんなY子さんの様子を見て、父が決断した。
10月に来る祖父の33回忌をすることにしたのだ。
法事くらいで何を大げさな!と言われそうだが、
我が家にとってはとても大きな決断なのだ。
今までも法事はちゃんと行っていた。
その時はお仏壇がある父の実家は空き家になっており、
父が自分の趣味の為に使っていたのだ。
なので実家に親戚が集まって法事をするのに支障はなかった。
3年前に行われた祖母の法事の時は、
認知症になり始めたY子さんはとても攻撃的になっていたので、
Y子さんには内緒で法事をしたくらいだ。
ところが今はその実家にY子さんが住んでいる。
祖母や小姑さま方と折り合いが悪かったY子さんが、
家で法事をする事をOKするはずがないと思っていた。
ところが先日の伯父のお葬式でのY子さんを見て、
父の気持ちが揺らぎ始めた。
やはりちゃんと法事をしたい気持ちがあったのだろう。
それに親戚の方々からも「法事しないの?」と言われてもいた。
Y子さんにそんな話をしてみると、
意外にあっさり「いいんじゃない」との答えが返ってきた。
Y子さんのことだから「そんな話は聞いてない!」とか
「私に相談もなく勝手に決めた!」と後から文句を言うかもしれない。
でも今のY子さんの様子を見る限り、なんとかなりそうだ。
善は急げで早急に日程を決め、ホテルの会場を抑え準備を始めた。
法要だけ実家であげ、後は温泉付ホテルでゆっくり食事をすればいい。
33回忌が気になっていた父は嬉しそうだった。
皆でそろって法事をすれば、きっと祖父母も喜んでくれるだろう。
認知症の効果?で昔の恨みつらみが薄らいで来たY子さん。
今日もお仏壇にお茶をあげ、貰ったお菓子を備えている。
案外Y子さんの恨みつらみを減らしてくれたのは、
ご先祖さまかもしれない。(笑)
では、Y子さんの症状がこれ以上進まないように、
ちゃんと見守ってね!!そう遺影に声をかけた。
ご先祖様、よろしくね!南無~。